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2026.07.13
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小樽駅
かにめし

1,350円(税込)

長年継ぎ足してきたタレで煮込んだうま味

普通列車に乗って、ちょっと旅気分で札幌駅から小樽駅へ。札幌市内を抜け、銭函駅を過ぎると車窓に広がってくる海の風景。ロングシートから眺めると、カーブのたびに窓枠と水平線が行ったり来たりするのが楽しいですね。洋上風力発電の風車や石狩湾新港の石油備蓄タンク、雄冬岬までの石狩湾を見渡しながら小樽駅へ到着です。

改札を出て左手に、駅なかマート「タルシェ」があります。小樽の特産品が集まるこのお店で駅弁も販売しているということで、ご紹介する「かにめし」を購入。小樽運河の夜景も描かれた掛け紙を外してみると、びっしりと敷き詰められたかにのほぐし身と大ぶりな椎茸の煮物、錦糸玉子にグリンピース、そして真ん中に小梅——北海道のかにめしといえばこれ!という王道の登場です。

まずは、主役のかにとごはんをパクリ。かにの良い香りが鼻に抜けて、その後に上品で奥深いうま味が口いっぱいに広がります。ズワイガニのほぐし身をじっくりと煮込んでいるタレは、昭和56年の発売以来継ぎ足して使っているものだそう。煮込んだ後でも大きめの塊が残っているので、質の良いかにを使っていることがわかります。

「毎回違う状態のかにを同じ風味に仕上げるには、コツが要ります」と語るのは、小樽駅構内立売商会の代表取締役・村上功さん。「一緒に入っているタケノコは自家製です。機械で千切りにした真竹を一度塩漬けにして、使う前に塩を抜いてから、かにと煮ています」。やさしい味わいは、かにとタケノコの相乗効果から生まれているんですね。

煮汁とうま味が溢れる厚切りの椎茸の仕込みにも手間をかけています。干し椎茸を3日間かけて仕上げて、味がなじんだ4日目にカットしているとのこと。かにめしに甘みとうま味のアクセントをプラスしてくれます。

それらの具材を受け止めるごはんは、冷めてもおいしいようにブレンドした北海道産米。こちらでは駅弁はもちろん、惣菜や仕出し弁当なども作っているため、大きなガス釜で一気にごはんを炊いているそうで、粒立ちの良さが自慢です。

「かにめしに合う飲みものは、やっぱりお茶ですね。それも、ポリ容器にティーバッグを入れてお湯を注いだ、昔ながらのあのお茶が一番だと思います」と村上さん。その気持ち、昭和生まれの私にはよくわかります! ペットボトルが登場するまでは、駅弁とポリ容器のお茶がセットでした。その場でやかんのお湯を入れてくれる、あのお茶がおいしかったんですよね。

有名な長万部のかにめしをはじめ、北海道各地にはいろいろなかにめしがあります。本州の北海道物産展などではゴロンとした剥き身が入ったものが人気だそうですが、個人的にはフレーク状になった昔ながらのかにめしに軍配を上げたいですね。村上さんいわく「それぞれのかにめしにある歴史や思いと一緒に味わうと、うまさもひとしおですよ」とのことでした。

Information

かにめし

価格1,350円(税込)
販売場所直営店「味彩」(営業時間 7:30~18:00)
駅なかマート「タルシェ」(営業時間 9:00~19:00)
定休日味彩…土曜、日曜、祝日、年末年始
タルシェ…年中無休
問い合わせ0134-23-5281(株式会社小樽駅構内立売商会)

※情報は取材時のものです。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。

文・イラスト

青山 則靖

#フードプロデューサー

1973年生まれ、帯広市出身。フードプロデューサーとして飲食店のメニュー開発やレシピ制作、料理教室の開催など幅広く飲食に携わる事業を展開しており、テレビ番組やイベントなどでも人気を博している。エゾシカ料理やアイヌの伝統料理への造詣も深く、近年は札幌市内のカフェを間借りして「エゾシカ食堂」という飲食イベントを不定期で開催している。著書に「青ちゃんの解決レシピ 今さら聞けない料理の基本」(エイチエス出版)、「青ちゃん流 失敗知らずの定番料理」(北海道新聞社)がある。

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