旭川駅
北海道産ホタテステーキ 黒毛和牛 牛すき重
1,650円(税込)

旅のひとときを特別にする豪華W主演
料理研究家やフードプロデューサーとして道内各地で仕事をしていますが、荷物が多いので車移動が多くなりがちです。でも、荷物が少ないときは列車を使うようにしています。本当は列車で移動する方が好きなんです。駅弁も食べられるし、お酒も飲めるし……ということで、列車に乗って旭川駅へ。かつては、毎年必ず遠軽に行く用事があり、その帰りの夜行列車で酔いがまわり、うたた寝して目を覚ますのが、いつも旭川駅だったんですよね。懐かしい記憶がよみがえります。
今回ご紹介するのは「北海道産ホタテステーキ 黒毛和牛 牛すき重」。なんとも豪華な取り合わせの駅弁です。今年リニューアルした5代目は、パッケージを掛け紙にしてより高級感を演出しています。小ぶりな容器にギュッと詰まった具材の数々に、思わず心が躍ります。
ホタテは北海道産の大玉。貝柱もヒモもまるごと味わえるのが発売当時からのこだわりです。いろいろな食感が楽しめて、噛むと旨味が口じゅうに溢れます。焼くと縮んで硬くなりがちなホタテの調理には、僕もいつも気をつけていますが、それが驚くほどふっくら柔らかに仕上がっています。焼いた後にさらにガーリック風味のタレに絡めているので味の絡みがよく、香ばしい匂いはまさしくステーキそのもの。

もう一方の主役・黒毛和牛は、北海道産の柔らかくきめの細かいものを厳選しているとのこと。常温でも固まることもなく口溶けのよい脂と旨味たっぷりの肉質、とろけるような食感が印象的です。厚さは1㎜にスライスしているそうで、それを秘伝の調味料で煮ることでさっぱりした味わいにしています。
僕がよく手がけるメニュー開発でも肉の厚さは結構重要で、0.1㎜単位で調整を繰り返したりします。この駅弁でも、肉と脂と食感のバランスを何度も試してこの厚さになったのでしょう。別に炊いている玉ねぎも、シャキシャキの食感を残しながら甘みも充分にあっておいしいですね。

このW主演を受け止めるごはんは160g。“醤油飯”と表記される味付けごはんが具材を引き立てています。ななつぼしメインのブレンド米を、おかずと一緒に頬張るとちょうどいい味付けにして、ガス釜で一気に10升も炊いているそうです。
副菜の煮物は、具材にもなっている干し椎茸の戻し汁で炊き上げているそう。薄味ながら素材の味が引き出されて、彩りも添えてくれています。甘さが控えめで塩味が効いた玉子焼きと、シャキシャキの茎わかめも良い仕事をしています。忘れちゃいけないのが味付焼とうもろこし。この粒を牛肉と一緒に食べると、肉の甘辛さととうもろこしの甘みとプチプチの食感が楽しめます。

列車の車内で食べると、風景と一緒に北海道の魅力を堪能できそうです。発売元の旭川駅立売商会さんでは「仕事や用事を終えたあとの、自分へのご褒美にもどうぞ」とおすすめしています。緑茶やほうじ茶と一緒に食べるのも良いですが、旭川の地酒と一緒にゆっくり味わうのも最高ですね。さて、この至福の一折に合うお酒を探しに、旭川の街をぶらついてみるとしましょうか。
Information


北海道産ホタテステーキ 黒毛和牛 牛すき重
| 価格 | 1,650円(税込) |
|---|---|
| 販売場所 | 旭川駅構内コンコース売店(8:00〜18:00) 駅ホーム立売(10:00〜14:00)(金・土・日・祝日のみ) JR旭川駅「北海道四季彩館旭川西店」(7:30〜22:00) |
| 問い合わせ | 0120-323-190(旭川駅立売商会株式会社) |
※情報は取材時のものです。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
文・イラスト

青山 則靖
#フードプロデューサー
1973年生まれ、帯広市出身。フードプロデューサーとして飲食店のメニュー開発やレシピ制作、料理教室の開催など幅広く飲食に携わる事業を展開しており、テレビ番組やイベントなどでも人気を博している。エゾシカ料理やアイヌの伝統料理への造詣も深く、近年は札幌市内のカフェを間借りして「エゾシカ食堂」という飲食イベントを不定期で開催している。著書に「青ちゃんの解決レシピ 今さら聞けない料理の基本」(エイチエス出版)、「青ちゃん流 失敗知らずの定番料理」(北海道新聞社)がある。